プールポンプシステムの全揚程(TDH)を計算します。配管径・長さ・流量・継手をHazen-Williams式で計算し、ポンプのサイジングに活用してください。
TDHはフィート単位の揚程(またはメートル)で測り、4つの入力から組み立てます。1つ目は実揚程:水が登らなければならない垂直方向の高さで、水面近くにポンプを設置した地下式プールでは通常わずか数フィートですが、地上式プールや高い位置にある設備パッドではより大きくなります。2つ目は配管摩擦:吸込側と返送側の配管の総展開長を入力し(長い水平区間でも損失が生じるため、実長1フィートあたり約1フィートを加算します)、配管径(通常は1.5インチ(38 mm)または2インチ(50 mm)のPVC)も入力します。3つ目は継手損失:90度エルボ、ティー、バルブの数を数え、それぞれが配管の「相当長」を加えます。4つ目は設備損失:清浄フィルター、ヒーター、ソルトセルの圧力損失で、通常は揚程フィート値で示されます。摩擦損失は流量に応じて増えるため、設計流量をGPM(またはLPM)でも用意しておきましょう。配管はスキマーではなくポンプの位置で径を測ってください。途中で口径が大きくなることが多いためです。
計算方法:TDH = 実揚程 + 摩擦損失(配管)+ 継手損失 + 設備損失、すべてフィート単位です。摩擦損失は、配管径と流量に対応するチャートから読み取ります。計算例:あるプールに60 GPM(227 LPM)が必要だとします。実揚程は5フィート。返送配管は2インチPVCが50フィートで、60 GPMでは2インチ配管は100フィートあたり約3.5フィートの揚程を失うため、50フィート = 1.75フィート。吸込側は2インチが40フィートで = 1.4フィート。90度エルボ4個(各相当長約5フィート)= 配管20フィート = 0.7フィート。清浄なカートリッジフィルターが4フィート、ヒーターが3フィートを加えます。合計TDH = 5 + 1.75 + 1.4 + 0.7 + 4 + 3 = 15.85フィート(約4.8 m)。次に、揚程約16フィートでポンプの性能曲線を読み、目標の60 GPMを実際に供給できるか確認します。
ポンプ曲線は急峻なので、正確さが重要です。TDHを過小に見積もると、ヒーターやソルトセルが必要とする流量を下回って息切れするポンプを買ってしまいますし、過大に見積もると電気を無駄にし、フィルターの最大設計流量を超えてろ材を吹き飛ばしたりカートリッジ寿命を縮めたりします。最もよくある誤りは、配管の公称長を展開長の代わりに使うこと(エルボを無視すること)、汚れたフィルターは清浄時より10〜15フィート揚程を増やしうることを忘れること、そして誤った流量で摩擦損失を読むことです。流量目標は常に清浄フィルターのTDHを基準にサイジングしつつ、フィルターが目詰まりしてもポンプが失速しないことを確認してください。配管を組み直したり、ヒーターや塩素発生器を追加したり、配管を太くしたりしたら、その都度TDHを再計算しましょう。ソルトセルやヒーターのフロースイッチが作動しない場合、実際のTDHが計算値より高いということです。ポンプが小さすぎると決めつける前に、半開のバルブや詰まったスキマーバスケットがないか再点検してください。
TDHはポンプが水をシステム内で循環させるために克服すべき総抵抗で、垂直方向の高さ(静揚程)と配管・フィルター内の摩擦損失を含みます。
ポンプの「性能曲線」を読むためにTDHが必要です。TDHに対してポンプが小さすぎると、ヒーターや塩素発生器を作動させる流量が確保できません。
口径の太い配管、高流量バルブを使用し、フィルターを清潔に保つことでTDHを下げられます。低いTDHは、より少ない電力でより多くの水を循環させられることを意味します。